林忠彦 氏(はやしただひこ)
写真家[日本]
1990年 12月18日 死去享年73歳
林 忠彦(はやし ただひこ、1918年〈大正7年〉3月5日 - 1990年〈平成2年〉12月18日)は、日本の写真家である。
経歴=
山口県生まれ。
木村伊兵衛、土門拳、渡辺義雄などと並ぶ昭和を代表する写真家の一人である。
太平洋戦争(大東亜戦争)後の日本の風俗や文士、風景など多岐にわたる写真を撮影した。
特に文士を撮影したものは有名で、銀座のバー「ルパン」で知り合った織田作之助・太宰治・坂口安吾の酒場での姿や、坂口安吾の紙屑に囲まれた仕事場の風景は、林忠彦の名を世に知らしめた。
特に1946年に撮った太宰治のネクタイ姿の肖像写真が有名。
この写真を撮った時のことについては、林自身による回顧が残されている。
林が撮った、太宰治。
銀座のBAR「ルパン」にて(1946年)
ルパンは銀座の文春画廊の裏横丁にあって、仕事の連絡場所として林が使っていたバーだった。
ある日、織田作之助と坂口安吾の他に2、3人がルパンにやってきたので、林が織田の写真を撮っていると、反対側で安吾と並んで飲んでベロベロに酔っぱらっていた男が「おい、俺も撮れよ。
織田作(織田作之助)ばっかり撮ってないで、俺も撮れよ。
」ととわめきだした。
この男が太宰だった。
当時、林は太宰の顔を見知っておらず、隣りの人にあれは誰かと聞いて初めて太宰だと知った。
この時に、残っていた最後のフラッシュ・バルブを使って撮ったのが、有名になる太宰のポートレート写真である ……
林忠彦さんが亡くなってから、33年と339日が経ちました。(12392日)