梁石日 氏(ヤン・ソギル)
作家[朝鮮]
2024年 6月29日 死去享年89歳
梁 石日(ヤン・ソギル、ヤン・ソクイル、양석일、1936年8月13日 - 2024年6月29日)は、日本の小説家。
在日朝鮮人。
本名は梁正雄(ヤン・ジョンウン)、通名:梁川正雄。
略歴=
大阪市猪飼野で生まれる。
両親は済州島から大阪市に移住してきた。
戦後、一家は蒲鉾製造で成功したが、父はほどなく愛人を作り、妻子を棄てて家を出た。
大阪府立高津高等学校定時制在学中に、内灘闘争に参加。
1954年に猪飼野で詩人の金時鐘に出会う。
その後、金が主宰する同人誌『ヂンダレ』に詩を投稿し、手ほどきを受ける。
梁石日という筆名は「石の上にも三年、日が照るまで粘り強く書く」の含意で、金時鐘が名付け親である。
なお、後に作家として成功してからも親交は続いた。
その間、靴屋や鉄屑屋、洋服店勤めなどを経て、実父から300万円を借りて印刷会社を経営するが事業に失敗。
仙台に逃げる。
喫茶店の雇われマスターになったが更に借金は増え、やがて上京する。
そこで新宿に寮のあるタクシー運転手の職に就いた。
そんな中、病床にあった実父から家業を継ぐ事を求められたが断り、実父はほどなく全財産を寄付して北朝鮮に渡り、現地で病死した。
新宿のスナックで酒を飲みながら、タクシー客とのやりとりを面白おかしく語っていたところ、たまたま聞いていた出版編集者に執筆を勧められて書いた『狂躁曲』(単行本出版時の題名は『タクシー狂躁曲』)で作家デビュー ……
梁石日さんが亡くなってから、145日が経ちました。