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イリヤ・カバコフ 氏Ilya Iosifovich Kabakov

芸術家[ウクライナ]

2023年 5月27日 死去享年91歳

イリヤ・カバコフは、1933年9月30日に旧ソ連邦領ウクライナのドニプロペトロフスクで生まれ、2023年5月27日にニューヨークで亡くなったロシアの現代アーティストです。ソビエト連邦の非公式芸術運動であるモスクワ・コンセプチュアリズムの主要な人物であり、その作品は社会主義体制の批判と人間の孤独と疎外感を描いています。カバコフは、1957年にキエフ芸術学校を卒業し、その後、ソ連の政府機関でグラフィックデザイナーとして働きました。しかし、彼は政府の検閲に不満を抱き、1960年代から非公式の芸術活動を始めました。彼は、ソビエト連邦の共産主義体制を批判する絵画や彫刻を制作し、自宅やアパートで秘密の展覧会を開きました。1980年代半ば、カバコフはソ連を離れて西ドイツに移住し、その後、1991年にアメリカに移住しました。また、1989年から、同じウクライナ出身であるエミリアとコラボレーションで作品を発表し始め、1992年に二人は結婚しました。彼は、アメリカで国際的な成功を収め、ヴェネツィア・ビエンナーレやドクメンタなどの主要な美術展に出展されました。カバコフの代表的な作品には、「The Man Who Flew into Space from His Apartment(アパートから宇宙に飛び立った男)」、「The Toilets(トイレ)」、「The Corridors of the Totalitarian Universe(全体主義宇宙の回廊)」、「The History of My Life(私の人生の歴史)」などがあります。彼の作品は、社会的なメッセージと芸術的な革新性が評価され、現代美術の重要な作家の一人として知られています。日本には夫妻で度々訪れ、個展を開催。新潟県の「大地の芸術祭」にも参加し、作品が展示されました。