辻本満丸(つじもとみつまる)
化学者[日本]
1940年 4月24日 死去享年64歳
辻本 満丸(つじもと みつまる、1877年(明治10年)12月4日 - 1940年(昭和15年)4月24日)は、日本の応用化学者。
スクアレンを発見した事で知られている。
経歴・人物=
翻訳者の辻本一貫の子として東京に生まれる。
第一高等学校卒業後、東京帝国大学(現在の東京大学)に入学し応用化学を学んだ。
卒業後に農商務省附属の東京工業試験所に入り、主に生物に含まれる油脂成分専門の研究助手となる。
後に技師に就任し1915年(大正4年)から1930年(昭和5年)の退官まで、同試験所の第二部長となり、多くの生物における油脂化学研究や調査を行った。
特にフジクジラ、カラスザメ、カスミザメ等サメを中心に油脂成分の研究に没頭した事により、「スクアレン」と呼ばれる新しい化学成分を発見、命名した事で名を馳せた。
また、魚類に多く含まれるDHAの元となったクルパノドン酸も発見した事でも知られている。
応用科学以外にも、試験所に勤務中に全国各地を登山した事や「日本山岳会」の創設者として知られ、赤石山脈に所在する鳳凰山に発見した新しい植物を調査し、その中からキキョウ科の植物「ホウオウシャジン」を命名した事でも知られた。
受賞歴=
日本化学会桜井賞 - 1918年(大正7年)受賞。
学士院恩賜賞 - 1920年(大正9年)受賞。
その他にも工学博士を取得している。
辻本満丸が亡くなってから、84年と211日が経過しました。(30892日)