ネリー・ザックスNelly Sachs
詩人、作家[ドイツ→スウェーデン]
1970年 5月12日 死去享年80歳
ネリー・ザックス(Nelly Sachs, 1891年12月10日 - 1970年5月12日)は、ドイツの詩人および作家。
自らの苦悩と過酷な時代の体験のなかから数々の優れた詩を生み出し、戦後ドイツを代表する詩人の一人とされる。
ナチス・ドイツによる迫害経験から、ユダヤ人の悲嘆の代弁者となった。
1966年ノーベル文学賞受賞。
よく知られている作品に詩劇『エリ―イスラエル受難の神秘劇』(1950年)、詩集『死神の住処で』(1947年)、『逃亡と変容』(1959年)、『塵なき境への旅』(1961年)、『求める女』(1971年)などがある。
生涯=
ザックスは1891年、ベルリンのシェーネベルクにユダヤ系の工場主の娘として生まれた。
セルマ・ラーゲルレーヴやドイツ・ロマン派からの影響の下に早くから詩や戯曲を執筆し、1921年には『伝説集』を出版。
1929年には新聞に初めて詩を発表している。
1930年に父を亡くし、その後ナチス政権の成立と共にザックスの将来に暗雲が垂れ込める。
1940年に老齢の母とともにナチスの迫害を逃れてスウェーデンに亡命。
亡命の成功はセルマ・ラーゲルレーヴとオイゲン王子の助力が大きかったという。
この亡命によってザックスはナチスのユダヤ人狩りから逃れることができたが、許婚は命を落とすことになった。
戦時中は生活の糧を得るために、50歳を過ぎてからスウェーデン語を学び、スウェーデンの詩のドイツ語への翻訳を始める。
戦後のザックスはスウェーデンに留まり、 ……
ネリー・ザックスが亡くなってから、54年と193日が経過しました。(19917日)