佐藤得二(さとうとくじ)
作家、仏教学者[日本]
1970年 2月5日 死去享年72歳
佐藤 得二 (さとう とくじ、1899年1月30日 - 1970年2月5日)は、日本の仏教学者、作家。
哲学研究者として朝鮮の水原高等農林学校(現・ソウル大学校農業生命科学大学)、京城帝国大学予科教授、第一高等学校教授を歴任。
『仏教の日本的展開』は名著として知られる。
その後、文部省督学官、社会教育局長、国際文化会館参与などを務めた。
経歴=
岩手県胆沢郡金ケ崎村(現金ケ崎町)出身。
盛岡中学校、第一高等学校を経て東京帝国大学文学部哲学科卒。
戦後は結核に罹患し、貧困にも苦しむが再起し、1963年には親戚の女性の話をもとにした初の小説『女のいくさ』を刊行、直木賞を受賞。
当時64歳という最高齢での受賞であり、「老人の新人」出現として話題をよんだ(のち、記録は古川薫の65歳での受賞に破られる)。
また『女のいくさ』は直木賞作品で初めてベストセラートップ10となった。
これは髪結いとして成功しながらも、売れない台本作者と結婚し、その夫に裏切られてしまう女性の、明治初期から現代までの歴史を描いた作品。
しかし作家としては翌年二つの短編を発表したに終わった。
鈴木彦次郎は同郷同学の友人、また川端康成は高等学校時代の同級生で「女のいくさ」刊行時に推薦文を寄せている。
1970年2月5日、胃癌のため東京医科大学病院にて死去。
71歳。
著書=
『日本的教養の根拠 日本地人論』刀江書院、1936
『仏教の日本的展開』岩波書店、1936
『道元と現代 ……
佐藤得二が亡くなってから、54年と289日が経過しました。(20013日)