宇野利泰 氏(うのとしやす)
翻訳家[日本]
(別名義 : 太田稔・多田雄二)
1997年 1月6日 死去享年89歳
宇野 利泰(うの としやす、1909年4月21日 - 1997年1月6日)は、日本の翻訳家。
日本文芸家協会、日本推理作家協会、各会員。
本名、太田 稔治(おおた としじ)。
ペンネームは、江戸川乱歩の土曜会で知り合った翻訳家阿部主計が、タバコの「Union Leader」をもじって命名したもの。
書籍によっては、太田 稔(おおた みのる)、多田 雄二(ただ ゆうじ)などの別名義を用いることもあった。
経歴=
東京市神田区生まれ。
実家は太田鉄工所を経営し、裕福な一家に生まれ育つも、宇野の代で工場は人手に渡っている。
旧制武蔵高等学校を経て、1932年東京帝国大学独文科卒。
田園調布(4の70)の自宅の隣人は石坂洋次郎であり、海外推理小説に詳しかったことから江戸川乱歩の知遇を得、雑誌『宝石』(岩谷書店)の創刊に貢献。
1953年に『宝石』誌上で処女訳を手がける。
その後英米推理小説を中心に翻訳活動を展開、E・S・ガードナー、エラリー・クイーン、ジョン・ディクスン・カー、グレアム・グリーン、ジョン・ル・カレなど翻訳作品は膨大な量にのぼる。
晩年には目と足の病気に悩まされながら、その死まで翻訳に携わった。
大久保康雄などと同様、下訳者を使って次々に翻訳を発表、下訳者たちの育成にも秀でており、深町眞理子、稲葉明雄など数々の著名な翻訳者が出た。
文壇・出版界のゴシップを大いに好んだ奇人とされ、編集者として交流があった小林信彦の小説『虚栄の市』 ……
宇野利泰さんが亡くなってから、27年と319日が経ちました。(10181日)