井上萬二 氏(いのうえまんじ)
陶芸家・有田焼[日本]
2025年 7月14日 死去享年97歳
井上 萬二(いのうえ まんじ、1929年3月24日 - 2025年7月14日)は、日本の陶芸家、人間国宝。
日本工芸会参与、有田陶芸協会顧問。
略歴=
佐賀県西松浦郡有田町出身。
生家は窯元であったが当時の日本社会情勢から軍人を志し、1944年8月に15歳で海軍飛行予科練習生となった。
鹿児島海軍航空隊に入隊し、まず鹿屋航空隊、次いで1945年6月に串良航空隊に配属された。
日本の敗戦間際に少年戦闘予備軍であった。
(実戦には行っていない)終戦の1945年(昭和20年)に地元九州故郷に帰還復員し、その後に父親の勧めで酒井田柿右衛門 (13代目)の窯元で働き始める。
修行7年目の1952年頃に奥川忠右衛門の作品に衝撃を受け、門下生となり白磁や轆轤の技法を学んだ。
1958年に酒井田柿右衛門窯を退社し、県立有田窯業試験場の技官として勤務を始める。
その傍らで独自の基礎となる意匠や釉薬の研究に励んだ。
1969年(昭和44年)、ペンシルベニア州立大学から有田焼の講師として招かれて渡米し、5ヶ月間担当した。
海外での活動はドイツなどでの個展や2002年3月のモナコ国王の在位45年記念の展覧会など、多岐にわたっている。
1968年、第15回日本伝統工芸展で初入選を果たす。
1977年に全国伝統的工芸品展通産大臣賞、1987年には第34回日本伝統工芸展で文部大臣賞を受賞した。
1995年5月31日に重要無形文化財「白磁」保持者(人間国宝)に認定、1997年紫綬褒章を受章。
2003年11月旭日中綬章を受章。
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井上萬二さんが亡くなってから、4日が経ちました。