笹本征男 氏
占領史研究家[日本]
2010年 3月20日 死去前立腺がん享年65歳
笹本 征男(ささもと ゆくお、1944年 - 2010年3月20日)は、日本の在野の歴史家。
専門は日本占領史。
「大量虐殺を受けた側が、それをなした側に全面協力して、その大量虐殺兵器の効果を徹底的に科学調査し、その成果を余すところなく提供する、という転倒がなぜ成立したのか」という視点からアメリカ合衆国原爆傷害調査委員会(ABCC)の成立過程や対米協力の実態を研究、主著『米軍占領下の原爆調査 原爆加害国になった日本』にまとめたのを始め、多くの論文を発表した。
経歴=
島根県益田市生まれ。
島根県立益田高等学校卒業後、上京して働き始めた。
市民グループ「原爆文献を読む会」に参加、フリーライターで原爆被爆問題に詳しい中島龍美に出会い、当時援護対象外であった在韓被爆者の存在を知って支援活動に加わる。
また、働きながら中央大学法学部に通い、竹前栄治(日本占領史専攻、のち東京経済大学教授)に占領史を学ぶ。
大学卒業後、塾講師やビル清掃などの仕事をするかたわら国立国会図書館などに通って文献を読破し、アメリカ軍による日本占領、原爆投下などに関する論文、著作を発表し続けた。
2008年1月に中島龍美が死去、その後を継いで在韓被爆者問題市民会議の代表となった。
2002年にがんを発症、生活保護を受けながらひとり闘病と研究を続けていたが、2010年2月半ばに入院、翌月誰にも看取られず前立腺癌で死亡した。
著書・訳書・論文=
『米軍占領 ……
笹本征男さんが亡くなってから、14年と246日が経ちました。(5360日)